2010年12月06日

ギリシャ 「頭いいから困らない」…危機1年、再建道半ば

ギリシャで財政赤字を少なめに計上する“偽装”が明らかになり、信用不安やユーロ危機を招いてから1年がたった。政府は再建策を発表したが進展はいま一つだ。経済が縮み債務繰り延べや棒引きが語られ始めてはいるが、地方も首都もこれまでと変わらず、さほど窮しているようには見えない。脱税による非公式(闇)経済が国内総生産(GDP)の3割にのぼる国だけあって個人の蓄えや生き残る術はあるようだ。


 「危機? 暮らしですか? まあ慣れていくだけ」。ギリシャ南西部、パトラ市のエルピダさん(27)の月給は600ユーロ(約6万6000円)。大学で学位を取ったが、スーパーで働く。友人とドライブに行く途中だが、約12ユーロの有料大橋を避け半額のフェリーで北に渡る。「倹約するようになった」と言う。

 対岸の町メソロンギに渡ると、平日の昼なのに、広場のレストランやカフェは満杯で、貧窮とはほど遠い印象だ。「ギリシャ人は頭がいい。国の失敗を見込んでためこんでるから」と言うガッレスさん(69)のオレンジ農場を見せてもらった。3000平方メートルの農地を放置してもオレンジが10トン取れる。「今年の卸値は去年より2割高い1キロ18セントで1800ユーロの売り上げ」。アルバニアやブルガリア移民に摘み取らせロシアや東欧のトラックが出荷する。「ギリシャ農民は一切働かずお金だけもらう」と笑う。

 アテネに暮らす引退した弁護士クツニスさん(86)は3200ユーロの年金を11%減らされたが高額なので困らない。「ギリシャ人は頭がいい。3年しのげば何とかなる」と話す。

 政府は公務員給与や年金の1割強減などで出費を削り、10月までの財政赤字を前年比で3割減らした。しかし「23%に達した付加価値税を出し渋る業者が増え、税収増の効果は出ていない。賄賂で脱税を見逃す税務官も減らない」と国際経済研究所のツァルダニス所長は言う。

 省庁や公的機関の合理化、民営化はまだ取り組みの段階だ。

 「アイルランド危機は建設バブルの崩壊だが、ギリシャはバブルではなく国の構造の問題なので、解決しやすい」と元証券マンの戸田博史・日本大使は語る。銀行や民間企業の負債がないのが強みだという。「秋の行革で地方自治体の数を大幅に減らすなど、やる時は意外に早い」

 問題は既得権益にどこまで手をつけられるかだが、その成果を示す前に、既に債務繰り延べや棒引きを政府は模索している。「ギリシャ人は頭がいいから」という言葉には「借金をまけてもらう」という思惑が隠れているようだ。



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posted by パセリ at 20:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする